音楽のミキシング入門ガイド

マスタリングに進む前に、すべての曲を最高の状態に仕上げましょう。

ミキシングとは?

ミキシングとは、複数のオーディオトラックを重ね合わせ、処理を加えてバランスの取れた楽曲に仕上げる工程です。
プロデューサーやミキシングエンジニアは、トラックごとの音量や特性を調整し、エフェクトを適用し、さまざまなツールを使って問題を解決・予防します。

すべての処理を終えた楽曲は「ミックスダウン」と呼ばれます。

小さな調整がミックスにどんな影響を与えるかを体感してみましょう。

EQ・音量・コンプレッション・リバーブ
LANDRサンプル・コンストラクションキット

ミキシングとマスタリングの違い

ミキシングは録音中または録音後に行われ、楽曲を構成する個々のトラックを処理する工程です。
一方、マスタリングは、完成したステレオミックスダウンファイルに最終調整を加え、リリース可能な「マスター」を作る工程です。

従来は別々のエンジニアが担当してきましたが、現在はプロデューサー自身がミキシングを行い、LANDRマスタリングのようなツールを使って仕上げることも一般的になっています。

いずれにしても、両者は関連しつつも別のプロセスとして扱うべきです。ミックスダウンが良ければ良いほど、マスターの仕上がりも向上します。


ミキシングのステップ

1. 耳を鍛える

楽器や音の違い、好きなアーティストの楽曲を注意深く聴くことから始めましょう。自分の理想のミックス像を理解する力が養われます。

2. 環境を理解する

DAWの基本機能を学び、スタジオモニターやヘッドホン、オーディオインターフェイスを揃えましょう。部屋の音響の基礎知識も身につけておくと役立ちます。

3. 音源を集める

楽器や音を録音するか、高品質なループやサンプルを集めましょう。ここでの準備がミックスダウンの出発点を決めます。

4. アレンジを構築する

アレンジや音の重ね方によってミックスの質は大きく左右されます。曲構成の基礎を学び、バランスの良いアレンジを目指しましょう。

5. レベルを調整する

音同士がぶつからないようにバランスを取りましょう。重要な要素が際立ちつつ、全体の調和が保たれるように音量を調整します。

6. EQを使う

EQは最も重要なミキシングツールのひとつです。不要な帯域を削り、必要な帯域を強調し、音同士の干渉を防ぎましょう。

7. ステレオ感を理解する

パンニングやリバーブ、コーラスなどのステレオエフェクトは音に奥行きを与えますが、使いすぎると明瞭さを損なうこともあります。賢く使いましょう。

8. ダイナミクスを整える

コンプレッションやリミッターを活用して、音の強弱をコントロールします。音圧を過度に上げすぎず、厚みや明瞭さを引き出すことが重要です。

9. ミックスダウンを仕上げる

完成した楽曲をDAWから書き出し、じっくり聴き直しましょう。バランスよく満足できる仕上がりなら、マスタリングの準備完了です。

さらに詳しい手順はフルガイドで紹介しています。

ガイドを読む

ミキシングに必要な基本用語

DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)は、録音・制作・ミキシングに使うソフトウェアのこと。DAWについて学び、自分に合ったDAWを選ぶのが音楽制作の第一歩です。

各トラックの音量バランスはミックス全体に大きな影響を与えます。わずかな調整でも仕上がりが大きく変わります

パンニングとは、音を左右のスピーカーのどこに配置するかを決める操作。空間的な広がりやバランスを作るために重要です。

DAWには「ミキサー」画面があり、フェーダーで音量を調整したり、ノブでパン位置を設定したりできます。

音は低域・中域・高域に分かれて存在します。EQは各帯域を細かく調整して、音同士がぶつからないように整理するツールです。

音の大きい部分と小さい部分の差(ダイナミクス)を整え、輪郭や存在感を強調したり、逆に抑えたりするための処理です。

コンプレッサーに似ていますが、設定した音量を自動で超えないように制御するツール。音割れを防ぎます。

オートメーションは時間の経過に合わせて音量やエフェクトのパラメータを自動で変化させる機能。楽曲に動きを与えることができます。

よくあるミキシングの失敗

録音技術が未熟

アコースティック楽器を扱う場合、マイクの種類や使い方を学びましょう。

音選びが悪い

プロのようなミックスにしたいなら、高品質でバランスの良いループやサンプルを使うことが重要です。

リバーブのかけすぎ

リバーブは便利ですが、中低域に余計な濁りを生み、ボーカルや楽器の明瞭さを損なうことがあります。

ダイナミクス不足

常に大きく派手に聴かせたくなるものですが、良いミックスは強弱のバランスを持っています。

ゲイン管理の不備

録音やミキシングでは、各段階で音量をどう扱うかが重要。ゲインを正しく理解しましょう。

リファレンスを取らない

ミックスはスピーカーやヘッドホンによって聞こえ方が変わります。複数の環境でチェックしましょう。

モニタリング音量が大きすぎる

常に大音量で聴くと、実際より良く聴こえてしまいます。適切な音量を意識しましょう。

部屋の音響環境が悪い

部屋の音響はミックスに直結します。予算に応じて吸音や配置を工夫しましょう。

ソロ再生に頼りすぎる

単体での音質だけでなく、他の音と組み合わせた時のバランスに注意しましょう。

位相の問題

位相は微妙ですが重要な要素。理解しておかないとミックスを崩す原因になります。

音の競合

ボーカルとリード楽器のように、同じ帯域を奪い合う音があります。バランスを取る耳を養いましょう

休憩を取らない

長時間作業すると耳が疲れて判断力が鈍ります。適度に休憩を取りましょう。

フィードバックをもらわない

未完成のミックスでも友人やプロに聴かせることで、新しい気づきが得られます。

ヘッドルーム不足

マスタリングのためには余裕(ヘッドルーム)を残す必要があります。ミックスは大きすぎないように。

マスタリングに頼りすぎる

マスタリングが全ての問題を解決するわけではありません。強いミックスを作ることがプロフェッショナルな仕上がりにつながります。